プルズ・クエスト(第3回)
山を下り終わって来たふもと村のユムはにぎやかであった。ランタと別れてから追いはぎなんかに見つからずに進めてきてよかったと思った。村で昼食をとってから、ラムへむかった。
ラン道を通っていると、向こうに茶店が見えてきた。「ちょっと休んでいくといいよ。」ジーヤがこの人に武人の匂いを感じたのは気のせいだろうか。「わたしはクルと言います。」茶店で休み終わるとクルは言った。「一クァでいいですよ。」お金を出し終わると、クルは言った。「ついでに、死んでもらおうか。」と言うと、ふところから短刀を取り出した。くさりガマを取り出し、かまえたジーヤは、驚いた。「なぜだろう。」短刀を首めがけ投げてきた。半転し、よけたジーヤはくさりガマを回すようにして、相手のほおをないだ。クルのほおから血がふきだした。しかし、相手はひるまず新しい短刀を取り、ひたいに向け投げた。
かわしきれなかった。ひたいから血が出てきて、左目に入った。左が見えなくなった。ふところから棒手裏剣を取りだし投げた。見ごとに腹に命中した。もう一本は耳たぶに命中した。しかしクルはひるまず落ち着いている短刀を拾い腹めがけて切こんだ。クルはおそろしい使い手であった。かわそうとしても必ず皮一枚切りさかれる。短刀が首めがけて飛んできた。ジーヤはかわさなかった。首の皮が切りさかれた。だが次の瞬間クルは悲鳴を上げた。ジーヤのこぶしが鼻の骨をくだいたのだ。そのすきをついて、クルの腹に膝をつきこんだ。がくんと折れクルは気絶した。「この短刀はもらっておこうか。」短刀の血を拭いてさやをはめると、ふところに入れた。そして、旅だった。
そのころ、ランタの家では、森で木の実を拾っていた。「ジーヤはなにやってるのかな。」などしゃべりながらやっていた。いつの間にか夜になっていた。ジーヤは急いでユムの次の街のヨムに向かった。途中でふくろうの群れに会った。
しばらくすると、ヨムに着いた。さっそく宿に入ってから、湯殿で湯につかり、心身いやした。その後、夕食を食べるために、広間へ向かった。広間に出される料理はどれもすごいものであった。クッスルと言う魚料理や、マルスと言う肉料理もあった。中でも、クルズルと言う、とくと辛料を使った物は、魚も肉も野菜もふんだんに使っていた。それを机の上の中央に一皿のせていた。酒もなかなかで、とくにリッスルと言う花の香りが強い酒が人気であった。「おい、ジーヤ。」向こうから声が聞こえた。「あ、ファスか。」クロスの友人の息子で二十八の男だ。幼なじみである。
ファスと話しているうりに数刻もすぎていった。そしたら急に扉が開き、客人が叫んだ。「火事だ。」広間は数秒間水を打ったように静かになったが、客人の一人が叫んだ。「早く逃げよう。」たしかにさっきからやけに熱いと思っていた。ジーヤは広間の外の場所へ向かった。しばらくして、ジーヤは思わず、「あっ。」と、叫んでしまった。なんと炎がこちらへ向かってくるのだ。ジーヤは広間に入り、叫んだ。「炎が見えた。」まだ広間にいたファスたちは「えっ。」っと、叫んだ。
・・・つづく・・・
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